受験者数の動向-12月以前

 男子帰国受験の嚆矢となる学習院と立教池袋ですが、数値上の競争率としては、若干門が広がった感じ、私たちの実感では、今年はラッキーな入試だったというのが実感です。私たちの指導のもとで準備を重ねてきた受験生は、少し苦しいかな、と思われて受験生も合格をいただくことができました。帰国入試は、ペーパーテストの得点だけでは測れない部分があり、そういった意味では学校別の対策が重要であることは、申すまでもないでしょう。

 女子では、実践女子学園の動向が目を引きます。GSC(帰国生のための特別なコース)、SJC(一般生と同じクラスに入るコース)ともに、昨年度は大幅な応募者減でしたが、今年は両コースとも応募者を5割増とすることができ、人気を回復させました。試験日程の見直しが功を奏したのか、昨年度の不人気が、今年の受験生の「安心感」を招いたのかわかりませんが、「頌栄女子学園の次のレベル」の学校として評価を定着させつつあることは、まちがいのないところでしょう。ただ、難易度としては、頌栄と大きな差があり、比較的安心して受験のできる学校という位置に変化はありませんでした。

 頌栄女子学園は、受験者数で例年の水準で維持、難易度も12月試験の方は例年の水準をキープしています。ただし、2月1日の試験は、大幅に難易度が低下しており、そこまでの受験を視野に入れれば、ずいぶんと入りやすい学校になった印象があります。

 最後に立教女学院です。毎年隔年現象の典型例の学校で、志願者増の今年は15%増となりました。それにともない、なまなかな実力では到底合格できない厳しい選抜となりました。昨年の入試がいくらか入りやすい入試だったのに対し、今年の数字の見かけ以上に厳しい選抜となり、立教を目指した女の子にとっては残念な結果となりました。その分、来年度の入試に期待できるのかもしれませんが。

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