苦い思い出【生徒が辞めた】
2017年11月20日(月曜日) ena シンガポール校
苦い思い出【生徒が辞めた】
もうかなり前の話ですが、中学受験算数のデビュー授業は、後期の第3回「旅人算」です。
第1回と第2回の「速さの性質」や「速さの三公式」が全員夏期講習会中に学習済みとのことで、第3回「旅人算」からの開始とのことです。
第1回で、秒速・分速・時速の意味の学習をし、秒速を分速にしたり、時速を分速にしたりということを学びます。
第2回では道のり、速さ、時間の3つの絡む公式の意味とそれを使った演習問題を繰り返します。
その後での、第3回「旅人算」です。2人が1回目に出会ったり、2回目に出会ったりするのは何分後かを求め、それが出発地点からどれくらい離れているかを求めます。
先に遅いスピードで出発した誰かを、よりスピードの速い別の人が追いかけて、追いつく時間や追いついた地点を求める問題。
池の周りを同時に同じ方向にまわって1周差が着くまでの時間やその地点を求めたりする問題。
池の周りを同時に反対方向に進んで会うまでの時間やその地点を求める問題。
明らかに第1回と第2回で速さの基本を学んでいないとアウトです。
そして、デビュー戦。
初めての生徒たち、初めての中学受験算数。
まさかの「第1回と第2回を誰も学んでいないという現実」、一生懸命予習して今更「第1回や第2回の授業に切り替える」臨機応変な力が駆け出しの自分にはありません。
そして、カリキュラムの根幹となる「学力判定テスト」の範囲をこなすまでの回数を数えると、この日に第3回「旅人算」をやらないわけにはいきません。
その夜、クラスで算数の成績が1番良い男子生徒の母親から「新しい先生は何なんですか。なんで第3回から始めるんですか。もう辞めさせます。」という苦情の電話がありました。
ごもっともです。
引き継ぎをしてくれた先輩のせいでもなく、第3回から始めるというカリキュラムのせいでもなく、引き継ぎのときに&カリキュラムを見たときに「第3回から始めること」についてもう少し自分が気を配るべきだったのです。
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