paraphraseの手法1:(near-) synonymで言い換える
以前英検の新しい出題形式「要約問題」(注:まだ導入はされていません)について取り上げましたが、
その際にparaphraseの重要性について少し言及しました。
今回の記事では、実際どのようにparaphraseをするのか?に関するfollow-up記事となります。
第1回は同義語(synonyms)と近義語(near-synonym)を用いたparaphraseを紹介いたします。
*近義語(near-synonym)という用語にはなじみのない読者もいらっしゃると思います。ある英単語を類語辞典(thesaurus)で調べてsynonymとしてはヒットしないけれども、言い換えにおいて「だいたい同じようなニュアンスを表す語」として用います。それならば「類義語」を用いたら良いだろうとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、類義語は同義語と同義的に用いられるため、新奇性の少し高めな近義語(near-synonym)という用語を用いてみようと思います。
それでは早速、次の英文を(near-)synonymsを用いて何通りかparaphraseしてみましょう。
“I would advise you to carefully consider all your options before making a decision.”
*生成AIを活用して複数の言い換え文を生成し、私の方で取りまとめています。
a. 1単語置換:I would counsel you to carefully consider all your options before making a decision.
b. 2単語置換:I would counsel you to thoroughly consider all your options before making a decision.
c. 3単語置換:I would counsel you to thoroughly ponder all your options before making a decision.
d. 4単語置換:I would counsel you to thoroughly ponder all your options before making a choice.
上記の紫色の単語は元の単語の同義語ではなく意味的に近い近義語(near-synonym)ですが、読み比べてみるとほとんど同じような内容であることが分かるはずです。
電子辞書をお持ちであれば、類語辞典(Thesaurus)が搭載されているか確認してみましょう。言い換え対象になりやすいのは多義語です。置き換えられそうな単語を見つけることが、単語レベルのparaphraseの第1段階になります。
ところで、目的次第ではparaphraseの方向性が変わってきそうですね。相手に分かってもらうことを最優先とするのであれば、なるべく簡単な単語に言い換えるのが良いでしょうし、語彙力をアピールするのが目的であれば、難しめの単語に置き換える方が望ましいでしょう。
試しに、上記の引用符の振られた英文を生成AIに平易な単語を用いた場合(①)と、なるべく難解な単語を用いた場合(②)で書き換えてもらうと以下の英文が出力されました。
① “I suggest you think carefully about all your choices before making a decision.”
② “I would counsel you to meticulously deliberate upon all your alternatives prior to reaching a verdict.”
まず①においては、adviseではなくsuggest、carefully considerがthink carefully about、optionsが単にchoicesとより分かりやすい単語に変えられています。
次に②においては、carefully considerがmeticulously deliberate uponに、choicesがalternativesに、beforeがprior toに、そしてmaking a decisionがreaching a verdictに変わっています。
注意すべき点として、①の文ではadviseがsuggestに変わるにあたり、語法の違いから“to”が消えています。単語によっては単純に置き換えができるケースもあれば、そうではないケースもあるということは留意しておきましょう。
文責:片野
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